ごみを捨てに外へ出た。
隣のおばさんもちょうど出てきたので
新年のあいさつをした。
「うちの夫もXXに入ったの。12月の最後に・・」
と、おじさんがうちの母と同じ施設に入ったことを話し始めた。
「捨てられたって言うの・・・」とすでに泣いている。
うちもそうだったよ。
しばらくずっと言ってた。 と、ワタシ
隣のおじさんも認知症。
くわえてずっと透析に通っていた。
おばさんは朝それに付き添ってタクシーに乗り、
帰りはぶらぶらと歩いて帰ってきていた。
大変そうだなと思っていた。
「もう限界だった・・・」とおばさん。
ずっといた手のかかる厄介な人がいなくなった。
さぞかしラクになれるだろう。
いや、
ちっともラクになれないのだ。
寂しい。
まず、家にずっといた人がいなくなることが寂しい。
そして追い出したという罪悪感
もっとやれたんではないかという思い
「どうしているだろうと思うと眠れない」と言う。
辛い。
今辛いのはおじさんもおばさんもだ。
一緒にさめざめと泣いた。
筆・松江